ジャングルに眠る神々の都、アンコール遺跡群。 802年のクメール王朝誕生から、アンコール・ワットの建立、そして1431年の崩壊までを精密な年表で紐解きます。 建築の進化や高度な水利システムなど、ユネスコが認めた真の価値を徹底解説。
アンコール遺跡群
カンボジアの北西部に位置する、9世紀から15世紀にかけてクメール帝国の首都として栄えた巨大な寺院群と都市遺跡です。 ヒンドゥー教と仏教の建築様式が融合した独特の美しさを持ち、世界最大級の宗教建造物であるアンコール・ワットや、巨大な顔の彫像で知られるバイヨン寺院、樹木に飲み込まれたタ・プロームなど、数多くの遺跡が点在しています。 当時の高度な水利システムや石造建築技術を今に伝える、東南アジアで最も重要な歴史遺産の一つです。

人間の創造的才能を表す傑作である。
アンコール・ワットやバイヨン寺院に見られる、精緻な浮き彫り(レリーフ)や、完璧な均衡を保つ石造建築は、人類が生み出した最高の芸術の一つと認められました。
特に「砂岩」を木材のように加工して組み上げる技術や、全壁面を覆う神話の物語は、創造的才能の極致とされています。
建築、科学技術、記念碑、都市計画、景観設計の発展に重要な影響を与えた、ある期間にわたる価値観の交流又はある文化圏内での価値観の交流を示すものである。
インドから伝わったヒンドゥー教や大乗仏教が、クメール固有の信仰と融合し、独自の建築様式を生み出しました。
この様式は、後のタイやラオスなど東南アジア各地の建築に多大な影響を与えており、広域にわたる人類の価値の交流を証明しています。
現存するか消滅しているかにかかわらず、ある文化的伝統又は文明の存在を伝承する物証として無二の存在(少なくとも希有な存在)である。
9世紀から15世紀にかけて東南アジアを支配したクメール帝国(アンコール王朝)の存在を証明する、唯一無二の遺構です。
寺院だけでなく、当時の社会を支えた広大な水利システムの跡は、かつてここに高度な文明が存在したことを明確に示しています。
歴史上の重要な段階を物語る建築物、その集合体、科学技術の集合体、あるいは景観を代表する顕著な見本である。
9世紀のロリュオス遺跡群(レンガ造り)から、12世紀のアンコール・ワット(砂岩の完成形)、そして13世紀のアンコール・トム(城郭都市)まで、クメール建築の進化プロセスがすべて現存しています。
これは人類の歴史において、ある一つの文明がたどった建築技術の集大成と言えます。